soieのブログ

映画と旅行の備忘録

The Shape of Water シェイプオブウォーター

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ファンタジーロマンスです。

でも、ディズニーではありません。

難しい分類の映画です。

世界の映画祭で絶賛、賞をとりまくり、アカデミー賞作品賞もゲットしました。

とはいえ、一概に「すてき、ロマンティック、感動」とはいきません。

これだけ、賞にからむ作品は相当くせがあることが多いです。

アベンジャーズのような娯楽作品、[最高のエンターテイメントを提供するので、みんな見てね作品]とは違い、監督に、[予算内で好きなもん撮っていいよ作品]です。

巨匠になると、結構あります。制作会社も、「名作つくるかもしれないから2000万ドルくらいで好き勝手やらせてみな」。そんな感じがあります。

この映画も初週全米2館です。マックスでも2000館(一週間ほど)。

世界収益、1億8500万ドル(200億円)稼ぎました。

ちなみに同時期公開の「COCO(リメンバー・ミー)」が8億ドル(800億円)なので、近年のアカデミー受賞作としては興行かなりがんばってる作品になります。

というのも、ここ数年、アカデミー作品賞で世界興行100億円超えた作品はありません。ムーンライト、スポットライト、バードマン・・・(バードマンはぎりです)

アカデミー賞とか映画祭は、華やかなイメージがあるのですが、受賞作は広くは見られていないことが多く、ノミネート作品のほうがよく知られています。

ダンケルク」「ララランド」「アメリカンスナイパー」

どれも受賞できなかった、ノミネート作。

前置き過ぎましたが、要は「くせがすごいんじゃ」作品となります。

元々、癖の強い監督に、好き放題させたので、結果、すごい世界観の作品ができあがってもスタジオは文句いえません。

作品はタイトル通りです。

絶対、目に焼き付けた方がいい映画史に残る美しいクリーチャーの物語です。

アカデミー特殊メイクをチャーチルで受賞した、辻一弘氏も参加したクリーチャーです。もう、半魚人の時代は終わってます。どうしたら、こんなフォルムの生き物を想像できるんでしょうか。

形のない愛のシェイプを、物語に絡む人全員がもっています。

水に形があるわけないのに、水のフォルムとか水の波形とか、なんか形ありそうに思って生活してます。

極悪非道な男でさえも、家では家族からキスされてます。

愛してやまない男性が差別主義者とわかったとたん、愛がさめたり。

文句しかないぐうたら亭主と結局一緒にいたり。

人ではないクリーチャーを愛する。

もう万物の愛に定型はないです。

とにかく、美しい化け物と、これを演じるために生まれてきたと言っても過言ではない、世界一地味で優雅で色気のある女優さんが、高い緊張感をたもったまま、おしゃれな映画世界を凄い癖で表現した映画です。

 

ちなみに、監督さんは主演のサリーさんが演じる前提で脚本を書きました。

あと15歳以上の年齢制限がついているので、少なからず性的な場面があります。

全くエロさはありませんが 必要な裸や行為となっています